50代リスキリングのオススメ資格42個!失敗しない選び方、支援制度

あなたは、

  • 50代がリスキリングを始める際の、オススメの資格と自分に最適な資格をどのように選ぶべきか知りたい
  • 再就職や定年退職後のセカンドキャリアに備えたい
  • リスキリングをするなら、金銭面の負担を減らしたい

などとお考えではありませんか?

最近は人生100年時代と言われ、定年が70歳まで延長されつつあります。

そのため、50代にもリスキリングが必要だと考えられるようになりました。

そのような時代に、自分の興味にあうリスキリングの資格を発見し、セカンドキャリアへの希望に満ちた50代を過ごせたら幸せですよね。

結論から言うと、50代にオススメの資格には、非IT・DXジャンルの資格が20種類、IT・DXジャンルの資格が22種類あります。

この記事を読めば、自分にあったリスキリングの資格を発見し最適な選択ができるようになります。

この記事では、
1章で50代向け非IT・DXジャンルの資格20種類、
2章で50代向けIT・DXジャンルの資格22種類、
3章で50代がリスキリング分野・資格を選ぶ際の基準8個、
4章でリスキリングの資格取得に使える支援、
について、詳しく解説します。

この記事を読んで、自分に最適な資格を発見し、明日からリスキリング学習をはじめましょう。

目次

1章:【50代向け】非IT・DXジャンルの資格21種類

1章は、非IT・DXジャンルという切り口で資格を紹介します。

非IT・DXジャンルとは、情報技術やデジタルトランスフォーメーションに直接関連しない、専門分野の知識やスキルを証明する資格です。

結論から言うと、対象範囲の違いから以下の2つの切り口に整理し直すことで、探しやすくなります。

  • (非IT・DXジャンルの)ビジネス全般系
  • (非IT・DXジャンルの)特定スキル系

それぞれ説明します。

1-1:ビジネス全般系

1つ目は、対象範囲が広い資格を集めたビジネス全般系です。

ここでは、非IT・DXジャンルで必要とされるビジネススキルやマネジメント能力が証明できる資格を紹介します。

たとえば、経営学やマーケティング、人事管理や財務管理などに関連する資格が含まれます。

1-1-1:中小企業診断士

この資格は、中小企業の経営を多角的に診断し、適切なアドバイス提供ができる専門家を認定するものです。

■活用の場
商工会議所などの公的機関での経営相談や専門家派遣、独立して経営コンサルタントとして活動する際に、いかせる資格です。

1-1-2:MBA

経営学の大学院修士課程を修了すると授与されます。経営戦略や財務管理、マーケティングや運営管理など、ビジネスや経営に関連する幅広い分野を学びます。

■活用の場
実践的な能力の獲得や人脈拡大のネットワーキングを在学中にできるため、転職や独立、研究者の道を目指すなど、新たなキャリアの扉を開く有効な手段のひとつとなります。

1-2:特定スキル系

2つ目は、対象範囲が狭い資格を集めた特定スキル系です。

ここでは、非IT・DXジャンルで必要な、特定の職種に限定した技術や専門知識の保有が証明できる資格を紹介します。

これらの資格は、実践的なスキルを習得し、特定の専門分野で自身の能力を証明したい人に適しています。

1-2-1:日商簿記検定

企業の経営活動を会計の側面から理解するための簿記に関するスキルを証明するものです。

■活用の場
広く認知されている資格で、企業の経理・財務部門への転職活動の際に、簿記の知識と資格は重要視されます。

1-2-2:ファイナンシャルプランナー

金融や資産運用に関する専門知識の保有を証明する資格です。国家資格と民間資格があるので選ぶ際は注意しましょう。

■活用の場
金融・保険・不動産などの業界で求められています。転職に有利になる可能性があります。

1-2-3:宅地建物取引士

不動産取引に関する専門知識と法律知識を証明するもので、国が認定する国家資格です。独占業務があります。

■活用の場
不動産業界だけでなく、金融機関や法律関連の職種でも活用の場があります。

この資格をいかしたキャリアアップや専門性の高い職種への転職が可能です。

1-2-4:【キャリアマネジメント領域】キャリアコンサルタントなど

■キャリアコンサルタント
個人の職業選択や職業生活設計、職業能力の開発や向上に関する相談に応じ、助言や指導ができる専門家であることを証明する国家資格です。

<活用の場>
人材関連業界、研修業界、カウンセリング業界、企業の人事部門への転職に活用できます。

あるいは、フリーランスのキャリアコンサルタントとして独立などに資格をいかせます。

■ビジネス・キャリア検定
優秀な人材を育成し、適正に評価するための唯一の公的資格試験です。8分野44区分の幅広い職務を網羅しています。

<活用の場>
さまざまな業界や職種でのキャリアアップや転職、セカンドキャリアに活用できます。

1-2-5:【マーケティング領域】ウェブ解析士など

■ウェブ解析士
Webサイトのアクセス解析やユーザー行動分析を行い、データに基づく改善提案ができるスキルの証明ができる資格です。

<活用の場>
IT・Web系の企業に転職しやすくなります。

■ウェブデザイン技能検定
Webデザイナーとして必要な知識やスキルを証明できる国家資格です。

<活用の場>
Web業界への転職を目指す人、Web制作のスキルアップを図りたい人もいかせます。

■SEO検定
SEOの技術体系を学び、実務で活用できる知識の保有を証明できる資格です。

※SEOとは、Googleなどの検索エンジンで自社のWebサイトの検索順位を上げるための施策のことです。

<活用の場>
企業のWeb担当者として転職を目指す人や、フリーランスのSEOコンサルタントなどで独立する際に資格を活かせます。

■マーケティング・ビジネス実務検定
特定の業種や業界に限定されない広範なマーケティングの実務知識を証明できる資格です。

<活用の場>
マーケティング関連職への転職や、マネジメントクラスへのステップアップに役立つ可能性があります。

■統計検定
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する統計・データ分析のスキルを証明できます。

<活用の場>
これまでの実務経験とデータ分析スキルを掛けあわせることで、市場価値の向上が期待でき、転職時のアピール強化が見込めます。

1-2-6:【経理・人事領域】社会保険労務士など

■社会保険労務士
労働・社会保険の専門家として、企業の人事労務管理をサポートする国家資格です。

<活用の場>
企業の人事・労務部門や社労士事務所などの転職に活かせます。また、企業を顧客とした人事・労務管理のコンサルティングとして独立開業する際に活用できます。

■衛生管理者
職場での労働者の健康障害や労働災害防止のために、労働安全衛生法で定められた国家資格です。

※常時50人以上の労働者を使用する事業者は、衛生管理者を専任する義務があります。

<活用の場>
常時50人以上の労働者を使用する、さまざまな企業への転職に活用できます。

■ビジネス会計検定
この資格は、財務諸表を「読み解く」能力を重視しており、経営状況の判断スキルを証明できます。

<活用の場>
会計知識とスキルは、幅広い業界や職種でいかせる汎用性の高い資格のため、転職やセカンドキャリアの選択肢が広がります。

■所得税法能力検定 / 消費税法能力検定
どちらも税務会計の知識とスキルを証明できる資格です。2つの資格を取得することで相乗効果が見込めます。

<活用の場>
税理士事務所や企業の経理・財務部門でのキャリアアップや転職に役立ちます。

1-2-7:【その他の領域】交渉アナリスト資格制度など

■交渉アナリスト資格制度
MBAレベルの交渉学の知識と実践的な交渉技術を兼ね備えていることが証明できる資格です。

<活用の場>
人事・労務や国際ビジネスなど、あらゆる業界・職種において、取引先や社内調整などの交渉スキルが求められる職場で活用できます。

これまでの実務経験と掛けあわせることで、市場価値の向上が期待でき、転職時のアピール強化が見込めます。

■電気工事士
電気設備の工事や取り扱いに必要な国家資格です。住宅やビル、工場、インフラ設備などの電気工事を行います。

<活用の場>
電気工事業界やビルメンテナンス業界など、さまざまな業界で活用できて需要も高いため、セカンドキャリアを考える上で有利な資格といえます。

■管理業務主任者
マンション管理会社は、管理業務主任者を30管理組合につき、1人以上の割合で設置する義務があります。

管理業務主任者の資格は、管理組合に対して管理委託契約に関する重要事項の説明などを行う際に、必須の国家資格です。

<活用の場>
マンション管理会社への転職や不動産業界でのキャリアアップに有利な資格です。

■登録販売者
かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(第2類・第3類に限る)の販売を行うための専門資格です。

<活用の場>
ドラッグストアや調剤薬局、コンビニエンスストアやスーパーでの医薬品販売などへの転職で活用できます。

また、ドラッグストアのフランチャイジーとして独立する場合などにいかせる資格です。

■介護福祉士
介護を必要とする人の日常生活を支援する、身体介護や生活援助の専門家を認定する国家資格です。

<活用の場>
介護・福祉分野への転職に有利な資格です。

2章:【50代向け】IT・DXジャンルの資格22種類

2章では、リスキリングのなかで注目度の高いIT・DXジャンルを紹介します。

結論から言うと、1章と同様に、対象範囲の違いから以下の2つの切り口に整理し直すことで、探しやすくなります。

  • (IT・DXジャンルの)ビジネス全般系
  • (IT・DXジャンルの)特定スキル系

それぞれ説明します。

2-1:ビジネス全般系

1つ目は、対象範囲が広い資格を集めたビジネス全般系です。

ここでは、IT・DX業界に関連のあるビジネススキルやマネジメント能力を証明できる資格を紹介します。

たとえば、ITプロジェクトの管理やIT戦略の策定、情報セキュリティ管理などに関連する資格が含まれます。

2-1-1:MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)

Microsoft OfficeのアプリケーションであるWordやExcel、PowerPoint、Accessなどの利用スキルを証明する国際的な資格です。

■活用の場
職種を問わずPCスキルの高さを証明できて企業の認知度も高いため、幅広い業界や職種への転職に役立ちます。

2-1-2:ITパスポート

情報処理に関する知識と技能を認定する国家資格です。ITに関する基礎的な知識があることを証明できます。

■活用の場
経理や人事、企画やマーケティングなどの、あらゆる職種の転職に活用できます。

2-1-3:ITコーディネーター
ITと経営の両方の知識を持ち、企業の経営改善やシステム改善をサポートする資格です。

■活用の場
システムエンジニアなどの、キャリアアップや転職に活用できます。

また、経営コンサルタントやITコンサルタントとして独立するなど、新たなキャリアへの有効な手段のひとつとなります。

2-1-4:デジタルトランスフォーメーション検定

DX推進人材に必要な知識の保有を証明できる資格です。

■活用の場
デジタル化の波に乗ってさまざまな業界・職種でキャリアアップを図れます。

自身の強みや他の専門的な資格と組みあわせることで、DX人材としての市場価値を高められます。

2-1-5:DX検定

DXに関わる人材として、IT先端技術トレンドと最新ビジネストレンドの両面の知識保有を証明できる資格です。

■活用の場
DX推進部門やDXのプロジェクトにおけるキャリアアップ、デジタルトランスフォーメーションを推進する企業への転職に活用できます。

2-1-6:【生成AI領域】G検定など

■G検定
AI活用方針の適切な決定とビジネスに活用する能力を証明できる資格です。

※G検定はビジネスパーソン向けに対し、2-2-2で説明するE資格はエンジニア向けである点に注意しましょう。

<活用の場>
これまでのキャリアと新たなAIの知識を組みあわせることで、AIエンジニアとしてのキャリアアップや、AIを活用する職種への転職に活用できます。

■生成AIパスポート
AIの生成技術を理解し、それを実際の業務に応用できる能力を証明できる資格です。

<活用の場>
AI時代に対応できる人材であることを証明する有効な手段となるため、50代の転職において差別化要因となります。

2-2:特定スキル系

2つ目は、対象範囲が狭い資格を集めた特定スキル系です。

ここでは、IT・DX技術に特化したスキルや知識の証明ができる資格を紹介します。

たとえば、プログラミングやネットワーク構築、データベース管理やクラウドコンピューティングなどに関連する資格が含まれます。

2-2-1:AWS認定資格

Amazon のクラウドサービスに関する知識とスキルを証明できる資格です。

■活用の場
クラウドコンピューティングの需要が高まるなか、これまでの業界経験とAWSのスキルを組みあわせることで50代の転職においても強力な武器となります。

また、フリーランスや副業としてAWS関連の案件を受注することも可能です。

2-2-2:【生成AI領域】E資格など

■E資格
この資格は、AIエンジニア向けの資格です。

ディープラーニングの理論を理解し、機械学習やディープラーニングを実装する知識・スキルがあることを証明できます。

※E資格はエンジニア向けに対し、前述のG検定はビジネスパーソン向けである点に注意しましょう。

<活用の場>
AI人材への需要増加と供給不足の観点から、50代の転職や独立、キャリアチェンジや新たな職種への挑戦に大いに活用できます。

■Python3エンジニア認定データ分析試験
Pythonのデータ分析ライブラリの使い方や、データ分析に関連する数学の基礎知識など、Pythonを使ったデータ分析スキルの証明ができる資格です。

※Pythonはプログラミング言語の名前です。

<活用の場>
データ分析・活用スキルとこれまでのビジネス経験を掛けあわせることで、転職やセカンドキャリアに活用できます。

2-2-3:【プログラミング領域】VBAエキスパートなど

■VBAエキスパート
Microsoft OfficeのExcelやAccessで使用される、マクロ機能やVBAプログラミングのスキルを客観的に証明する資格です。

<活用の場>
VBAに特化した求人は比較的少ないため、Pythonなどの他言語スキルと組みあわせることで、転職に活用できます。

■CIW JavaScript Specialist
JavaScriptのプロフェッショナルとしてのスキルを証明できる国際的な資格です。

※試験は英語で実施されます。
※JavaScriptはプログラミング言語の名前です。

<活用の場>
Webフロントエンド開発者やモバイルアプリ開発者としての転職などに活用できます。

また、海外でエンジニアとして活躍したい人や、フリーランスとして国際的な案件を獲得したい人にいかせる資格です。

2-2-4:【データ分析領域】Tableau認定資格など

■Tableau データアナリスト認定資格
ビジネス上の問題の把握や、分析のために探索すべきデータの特定、実用的なインサイトの導出、ストーリーの伝達に必要なスキルを証明できる資格です。

※Tableauは、データ分析ツールの製品名です。

<活用の場>
50代でもTableauのスキルをアピールすることで、DX人材としてさまざまな業界への転職の可能性が見込めます。

■Power BI データ アナリスト アソシエイト
Microsoft公式のPower BIに精通した人材で、DX化に欠かせないデータ分析とAI活用の実現能力が証明できる資格です。

※Power BIは、データ分析ツールの製品名です。

<活用の場>
データ活用に注力するさまざまな業界への転職に役立ちます。転職やキャリアチェンジを見据えたスキルアップも継続しましょう。

2-2-5:【RPA領域】UiPath RPAアソシエイト資格試験など

■UiPath RPAアソシエイト資格試験
UiPath社のRPAツールに関する基本的なスキルを持ち、RPAによる業務の自動化に一定の知識と能力があることを証明できる資格です。

※RPAツールは、パソコン上で行われている作業を自動化するツールです。

<活用の場>
RPAコンサルタントやRPAエンジニアなど、RPAに関連する幅広い職種への転職に50代でも活用できます。

■Power Automate RPA Developer Associate
Microsoft社のRPAツールPower Automate で、時間のかかる繰り返しタスクの自動化スキルを証明できる資格です。

※RPAツールは、パソコン上で行われている作業を自動化するツールです。

<活用の場>
RPAを活用した業務効率化のスキルをアピールできるため、転職やキャリアアップに活用できます。

■RPA技術者検定 アソシエイト
NTTデータ社のRPAツールWinActorを使用した、RPAプロジェクトや人材育成ができるスキルや能力を、認定する資格です。

※RPAツールは、パソコン上で行われている作業を自動化するツールです。

<活用の場>
50代でもRPAによる業務改善の実績をアピールできれば、RPA導入が進むさまざまな業界や職種に転職する際の強みとして活用できます。

2-2-6:【サイバーセキュリティ領域】情報セキュリティマネジメント試験など

■情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティ対策や組織の情報セキュリティ諸規程を適切に理解し、情報システムを安全に活用するための知識と能力を証明できる国家資格です。

<活用の場>
セキュリティコンサルタントや情報セキュリティ管理者など、セキュリティに特化した職種への転職に活用できます。

業務独占資格ではないため、転職やキャリアチェンジを見据えたスキルアップも継続しましょう。

■情報処理安全確保支援士
事業者等のサイバーセキュリティ確保支援を業務とする、サイバーセキュリティ分野の専門家であることを証明できる国家資格です。

前述の情報セキュリティマネジメント試験の上位資格であり高難易度です。名称独占資格なので、社会的信用の獲得に活用できます。

<活用の場>
IT企業の管理職ポジションへの転職や、セキュリティ関連のコンサルタントなどのセカンドキャリアに活用できます。

2-2-7:【その他の領域】プロジェクトマネージャー試験など

■プロジェクトマネージャー試験
システム開発のプロジェクト責任者として必要な知識やスキルを証明できる国家資格です。

<活用の場>
システム開発会社やコンサルティング会社、フリーランスとしてのセカンドキャリアに活用できます。

■基本情報技術者試験
ITエンジニアとして必要な基礎知識を証明できる国家試験です。

<活用の場>
実務経験の積み重ねにより50代の転職やキャリアアップに一定の効果が期待できます。

■データベーススペシャリスト
データベース構築プロジェクトで、グループの責任者を任せられるレベルの知識と技術力があることを、証明できる国家試験です。

<活用の場>
専門的なスキルと経験があれば、自分の実力を客観的に示せるので、転職や独立などキャリアアップに活用できます。

3章:50代がリスキリング分野・資格を選ぶ基準8個

ここまで見てきたとおり、リスキリングの資格の数は多いため、どうやって資格を選べばよいのか、迷いますよね。

結論から言うと、以下2つの選択基準があります。

  • リスキリング分野と資格の特長を基準に選ぶ
  • 自分のセカンドキャリアを基準に選ぶ

それぞれ説明します。

3-1:リスキリング分野と資格の特長を基準に選ぶ

資格の選択基準の1つ目は、資格の特長を基準に選ぶことです。

この場合、以下の3点を考慮しましょう。

  • 将来性があるか?
  • 経験が活かせるか?
  • スキル取得までの所要期間は?

それぞれ説明します。

3-1-1:将来性があるか?

リスキリングの目的のひとつは、変化する労働市場に適応することです。

そのため、選択する分野や資格が将来性を持っているかどうかを慎重に検討する必要があります。

たとえば、選択しようとしている分野が成長産業なのか、縮小傾向にあるのか、業界のトレンドを調査しましょう。

また、高齢化社会に伴う介護や医療分野の需要増加など、社会の変化に応じた需要を調べてみるのも大切です。

3-1-2:経験が活かせるか?

50代は、豊富な職務経験を持っています。

そのため、新しい分野に挑戦する際も、これまでの経験を強みとして活かせる領域かを検討してみましょう。

たとえば、これまでに蓄積した人脈や専門スキルと知識を活用できないか検討しましょう。

3-1-3:スキル取得までの所要期間は?

選択する分野や資格によって、必要な学習時間と受験までの期間は大きく異なります。

資格の難易度や試験の開催間隔(年に何回の受験が可能か)などを調べ、自分の状況にあわせて選択しましょう。

3-2:自分のセカンドキャリアを基準に選ぶ

資格の選択基準の2つ目は、自分のセカンドキャリアのあるべき姿を基準に選ぶことです。

この場合、以下の5点を考慮しましょう。

  • 【再雇用】今の職場で働く場合
  • 【再就職】新しい職場で働く場合
  • フリーランス・副業で働く場合
  • 好きな仕事で働く場合
  • 教える仕事で働く場合

それぞれ説明します。

3-2-1:【再雇用】今の職場で働く場合

現在の職場での再雇用を考えている場合、既存のスキルをさらに深めることが重要です。

たとえば、今いる業界の最新トレンドや技術に関する資格を選択して、スキルを深めます。

3-2-2:【再就職】新しい職場で働く場合

新しい職場での再就職を目指す場合、転職市場で求められるスキルや資格の取得が重要になります。

たとえば、成長産業への再就職を目指す場合、今後の成長が見込まれる分野の専門知識や資格を選択します。

3-2-3:フリーランス・副業で働く場合

独立した後も仕事を獲得できるスキルが必要です。

たとえば、特定の分野でのエキスパートとして認められるように、高度で実践的な専門資格を選択します。

3-2-4:好きな仕事で働く場合

趣味や興味のある仕事を目指す場合、それに関連するスキルや資格の取得が鍵となります。

たとえば、料理好きなら調理師免許など、興味ある分野の公的資格を取得することで、プロとしての信頼性が高まる資格を選択します。

3-2-5:教える仕事で働く場合

長年培った知識や技能を次世代に伝える教育者としての道を選ぶ場合、教える分野の権威性と信頼性が高まる資格を選択します。

たとえば、エクセルを教えたいのなら、その分野における一定の水準の知識とスキルを証明するために、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格を選択します。

4章:リスキリングの資格取得に使える支援

結論から言うと、以下2つの情報把握を事前にしておくことで、不安を軽減できます。

  • 金銭面のサポート情報を把握する
  • 学習環境に関する情報を把握する

それぞれ説明します。

4-1:金銭面のサポート情報を把握する

1つ目は、資格取得に必要な金銭負担に関する情報の把握です。

リスキリングに対する国の金銭面サポートは、大きく2種類です。

  • 個人向け】「教育訓練給付制度」
  • 企業向け】「人材開発支援助成金」

それぞれ説明します。

4-1-1:【個人向け】「教育訓練給付制度」

1つ目は、個人の主体的な能力開発やキャリア形成を支援してくれる制度です。

個人の意志で取得したい資格を選んで、講座を受講します。

■種類
レベル等に応じて、(1)専門実践教育訓練、(2)特定一般教育訓練、(3)一般教育訓練、3種類があります。

■補助額
上記の種類に応じて、(1)受講費用の50%(年間上限40万円)、(2)40%(上限20万円)、(3)20%(上限10万円)、3つがあります。

■手順
最初に、取得したい資格を決めて、ハローワークで受給資格の有無などを確認します。

次は、本制度の講座指定を受けた教育機関が開催する講座への申込みと受講です。

最後に、ハローワークにて支給申請をして給付金の支給を受けます。

参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」

4-1-2:【企業向け】「人材開発支援助成金」

2つ目は、事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識および技能を習得させる際に国が支援してくれる制度です。

受給申請などの手続きは勤務先が行うため、金銭負担や事務負担は不要です。

しかし、自分が希望する資格を受講できるかどうかについては、勤務先都合と助成金のコース別に異なる支給対象条件が影響します。

なお、人材開発支援助成金の全6コースのなかで、当記事で説明した資格に関連度の高いコースは以下の4つです。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース

それぞれの支給対象条件を説明します。

■人材育成支援コース
支給対象条件は以下のとおりです。

  • 職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練
  • 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練
  • 正社員化を目指す訓練

■教育訓練休暇等付与コース
支給対象条件は以下のとおりです。

  • 有給教育訓練等制度を導入した
  • 労働者が当該休暇を取得した
  • 訓練を受けた

■人への投資促進コース
支給対象条件は以下のとおりです。

  • デジタル人材・高度人材を育成する訓練
  • 労働者が自発的に行う訓練
  • 定額制訓練(サブスクリプション型)

■事業展開等リスキリング支援コース
支給対象条件は以下のとおりです。

  • 新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴う訓練
  • 新たな分野で必要となる知識および技能を習得させるための訓練

参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」

4-2:学習環境に関する情報を把握する

2つ目は、資格取得までの学習環境に関する情報の把握です。

資格取得までの学習期間は長いため、最後まで継続できるかどうか不安になり、学習開始時期を先送りしてしまう人がいます。

このような心身面の不安をサポートするために、自分の生活リズムや学習スタイルに最適な学習環境を手に入れることが重要です。

結論から言うと、学習環境は以下の3つから選択、または、組みあわせます。

  • オンライン学習(※主婦も学びやすい環境)
  • 企業内研修
  • 公的機関の研修

それぞれ説明します。

4-2-1:オンライン学習

自分のペースで学習を進められ、場所や時間の制約が少ないため、日々の生活リズムにあわせやすいのが大きな利点です。

しかし、自己管理能力が求められるため、モチベーションの維持が課題となる可能性があります。

4-2-2:企業内研修

利点は、職場のニーズに直結した実践的な学習ができることです。また、同僚との交流を通じて学習意欲が高まることも期待できます。

欠点は、研修の日程や内容が会社の都合で決められるため、自分の興味や希望とあわない場合があることです。

また、突発的な仕事の発生など、業務との両立が難しい場合もあります。

4-2-3:公的機関の研修

比較的低コストで専門的な学習ができ、幅広い年齢層の受講者と交流できるのが魅力です。

しかし、受講の手続き等に時間がかかる場合もあるので、計画的な申し込みが必要です。

まとめ:50代に最適な資格を発見して、リスキリング学習を開始しましょう

■【50代向け】非IT・DXジャンルの資格21種類
非IT・DXジャンルで必要とされるビジネススキルやマネジメント能力を証明できる資格の紹介でした。

(非IT・DXのジャンルの)ビジネス全般系2種類

  • 中小企業診断士
  • MBA

また、非IT・DXジャンルで必要な、特定の職種に限定した技術や専門知識を証明できる資格の紹介でした。

(非IT・DXのジャンルの)特定スキル系19種類

  • 日商簿記検定
  • ファイナンシャルプランナー
  • 宅地建物取引士
  • キャリアコンサルタント
  • ビジネス・キャリア検定
  • ウェブ解析士
  • ウェブデザイン技能検定
  • SEO検定
  • マーケティング・ビジネス実務検定
  • 統計検定
  • 社会保険労務士
  • 衛生管理者
  • ビジネス会計検定
  • 所得税法能力検定 / 消費税法能力検定
  • 交渉アナリスト資格制度
  • 電気工事士
  • 管理業務主任者
  • 登録販売者
  • 介護福祉士

■【50代向け】IT・DXジャンルの資格22種類
IT・DX業界に関連のあるビジネススキルやマネジメント能力を証明できる資格の紹介でした。

(IT・DXのジャンルの)ビジネス全般系7種類

  • MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
  • ITパスポート
  • ITコーディネーター
  • デジタルトランスフォーメーション検定
  • DX検定
  • G検定
  • 生成AIパスポート

IT・DX技術に特化したスキルや知識を証明できる資格の紹介でした。

(IT・DXのジャンルの)特定スキル系15種類

  • AWS認定資格
  • E資格
  • Python3エンジニア認定データ分析試験
  • VBAエキスパート
  • CIW JavaScript Specialist
  • Tableau データアナリスト認定資格
  • Power BI データ アナリスト アソシエイト
  • UiPath RPAアソシエイト資格試験
  • Power Automate RPA Developer Associate
  • RPA技術者検定 アソシエイト
  • 情報セキュリティマネジメント試験
  • 情報処理安全確保支援士
  • プロジェクトマネージャー試験
  • 基本情報技術者試験
  • データベーススペシャリスト

■50代がリスキリング分野・資格を選ぶ基準8個
1つ目は、リスキリング分野と資格の特長を基準に選ぶ場合は、以下の3点を考慮しましょう。

  • 将来性があるか?
  • 経験がいかせるか?
  • スキル取得までの所要期間は?

2つ目は、自分のセカンドキャリアのあるべき姿を基準に選ぶ場合は、以下の5点を考慮しましょう。

  • 【再雇用】今の職場で働く場合
  • 【再就職】新しい職場で働く場合
  • フリーランス・副業で働く場合
  • 好きな仕事で働く場合
  • 教える仕事で働く場合

■リスキリング資格取得に使える支援
最後に、金銭面の負担をサポートする国の制度は、大きく2種類です。

  • 個人向け】「教育訓練給付制度」
  • 企業向け】「人材開発支援助成金」

また、長い学習期間に対する心身面の不安サポートで重要なのは、最適な学習環境を手に入れることです。

学習環境は以下の3つから選択、または、組みあわせます。

  • オンライン学習
  • 企業内研修
  • 公的機関の研修

50代に最適な資格を発見して、リスキリング学習を開始しましょう。

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